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鋳物とは 木で作った模型(木型といいます)をもとに作った鋳型に溶けた金属を流し込み、模型と同じ形にできたものを鋳物といいます。
鋳物でできた身近な物には、例えば大仏さま、水道の蛇口、マンホール、車のエンジンなどがあります。
鋳物のできるまで
鋳物の歴史
鋳物の製造は、紀元前3500年頃メソポタミヤ地方から開始されたといわれ、古くから農機具や祭礼、日常用具、ときには兵器具として人間の生活に深い関わりを持てきました。しかし、鋳造品製造が現代の鋳物工業の形態をとるに至ったのは、イギリスの産業革命を契機として広く機械文明の中に採用されてからでこれにより鋳物の新しい道が見いだされました。
日本では鋳物の製造の歴史は約1300年前にさかのぼるといわれています。製品としては仏像、梵鐘(ぼんしょう)、貨幣、農具、刀、剣、鏡、鐸(たく)、鉾(ほこ)などで、江戸時代には庶民生活のなかにまで広がっていきました。 現代の鋳物業
鋳物製品は日本の成長にあって、自動車や産業機械、工作機械、電気、造船、精密機械にいたるまで広範囲な機械の骨格、主要構成部品として大きな役割を担ってきました。機械工業における最も重要な産業素材の一つとして今後ともそのニーズは安定しています。
鋳物の性能
どうして鋳物製品が機械工業における最も重要な産業素材の一つといわれるのか。それは鋳物製品が持つ優れた性質によるからです。
加工性 - どんな形にも変身
鉄は硬く形を作りにくい素材ですが、鋳物は鉄を液体に溶かして成形するので、どんな複雑な形状の製品も作ることができます。つまり、機械部品から工芸品まで幅広く適用できる素材なのです。
摩耗性・摩擦性 - 優れた耐久性
鋳物はヘリが少ないという優れた性質のほかに鋳物に含まれる炭素が、摩耗した鉄と鉄の間に入り焼き付きが起こるのを防ぎます。つまり、鉄道車輪や自動車ブレーキなどに最適な素材なのです。
耐食性 - 錆びにくい
鉄は錆びやすい素材ですが、同じ鉄でも鋳物は腐食しにくいという優れた性質があります。つまり、上下水道の鋳鉄管などに最適な素材なのです。
減衰性 - 騒音を吸収
鉄をはじめ、金属は振動をよく伝える性質があります。これは機械部品としては精度の低下をまねき、騒音発生のもととなります。しかし、鋳物は振動を伝えにくく、与えられた振動を吸収してしまうという優れた性質があります。つまり、産業機械の台座、自動車や船舶のエンジンなどに最適な素材なのです。
参考:京都府銑鉄鋳物工業組合パンフレット
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